TOP > コラム > 着こなし

blog

【着こなし】の記事一覧

ボーラーハットのコーディネート

静岡県のテーラー新屋のダイスケです

 

先日お客様が、ご自身の結婚式で使用されるボーラーハットを英国のジェームスロックから取り寄せたと見せてもらえる機会がありました

 

その際に、帽子の色について質問があったので、今回はボーラーハットについて書いてみたいと思います

 

 

山高帽は、ボーラー(英国)やダービー(米国)と呼ばれ、黒色が普通とされていますが、まれにブラウンやグレーのものもあります

では、黒とその他の色と、どのようにかぶり分けるかについて書いてみます

 

 

英語の表現に”From Hat to Shoes”(帽子から靴まで)というのがあるように、「上」と「下」とでバランスやハーモニーをとるのが普通です

 

したがって黒のボーラーをかぶったなら靴も黒が好ましく、茶の靴をはいてボーラーをかぶりたければ”ブラウン・ダービー”であるほうがよく、ミディアム・グレーのスーツを着た場合のボーラーはグレーまたは黒で、靴はグレー(ただし、スエード)か黒とされています

 

なお、茶系統のスーツに黒のボーラーをかぶって黒靴をはき、クリームのシャツに黒地に茶色のストライプがハッキリあらわれたタイをしめ、黒い手袋をして、黒の傘で握りが茶系というイデタチの写真を40年以上前の英国の服飾雑誌で見たことがありますが、それはとてもスマートだったです

 

 

まぁ、あまり規則に縛られることなく自由にファッションを楽しむべきだと思いますが、基本を知っていると楽しみ方にも幅が広がると思います

 

 

静岡県のテーラー新屋は、ボーラーを中々かぶる機会は少ないと思いますので、ソフトハットに当てはめて考えると良いと思います

 

 

 


一点豪華主義!?

静岡県のテーラー新屋のダイスケです


リニューアル後、第一回目は『豪華一点主義』について書きたいと思います


私たち日本人は豪華一点主義が好きですよね


ネットの世界だけでなく雑誌でも「腕時計だけはいいものを」とか「靴だけはこだわる」など当たり前のように言われています

 

様々な理由があると思いますが、その理由の一つとして、”ホテルでそれらは着目されるから”というものがあります

 

たしかに欧米のホテルやレストランなどで、お客様をランクづける方法の一つとして、係りの人が預かる帽子やコート、フロントでチェックインする際の腕時計に注意して見ることがあるそうです


ただし、それには大前提があって、例えば時計が一流品であれば、その他が靴にいたるまで二流や三流のはずはないという考え方があるということです


逆に一点だけ一流品だと、「なんで靴は良いのに…」なんて不思議がられたり、野暮ったいなどと思われてしまう可能性が大きいです

 

もちろん、その他の理由で、例えば、「時計は資産価値になるから」とか「足は第二の心臓と呼ばれてるから健康の為にフルオーダーにしよう」なんて考えがあって身につけても良いと思います

 

私個人的には、「ライターだけ」とか「靴だけ」一流品で他を安い三流品で揃えるぐらいなら、すべて二流品で統一した人のほうが上品な印象を持ちますし、ふりまわされてない印象があります

 

また、豪華一点主義と似た日本人独特の文化に「見えない所に拘る」というものがあります


見えない所に”も”なら良いのですが…


推測だと、江戸時代の贅沢禁止令が出された時に、着物は質素だけれど裏地はお金をかけるのが「粋」だとされてた時代の名残りなのではないかと思います

 

案外当たり前と思っている感性が、日本人独特のこともあります

間違えてはいませんが、気にしながら着こなしなどを楽しみたいものです

 

テーラー新屋は、”西洋から来た服”は、なるべく全体のバランスのとれた格好を提案し、おすすめしたいなと思います


PAGE TOP