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お知らせコラム

国境を越える仕立ての絆 ─ デンマークからのインターン生

静岡県のテーラー新屋のダイスケです

2025年7月末より約2ヶ月間、テーラー新屋ではデンマークから一人の若き職人エリックをインターン生として迎え入れました。これはEUの教育・研修支援プログラム「Erasmus+」の枠組みによるもので国内の個人仕立て屋としては非常に珍しい取り組みです。

私たちは浜松で常にお客様のことを第一に考え誠実に向き合って仕事をしています。そんな私たちの工房になぜ欧州の若者がやってきたのか。それは日本独自の緻密な仕立て技術が今や世界にとっても貴重な財産となっているからだと感じています。

職場で3人と
仮縫い作成1
仮縫い作成2

技術の化学反応:短寸式とデンマークの裁断法

今回の交流で最も興味深かったのは裁断方法の違いです。彼は自身のジャケット制作において私が服部先生から学んだ「短寸式(Direct Measurement System)」に挑戦しました。 「なぜ、ここでこの補正を入れるのか」 「なぜ、こういったカーブになるのか」 彼が普段使っているデンマークの裁断法との違いに触れながら私自身も改めて「なぜそうするのか」を問い直す非常にエキサイティングな時間となりました。デンマークの裁断方法もとても興味深く、数多くのクライアントのサンプリングから小数点第2位までの細かな数値を利用して平均値を導きだす手法です。そしてできあがったブロックパターンをお客さまの身体に合わせて型紙操作するという裁断方法です。

地の目を揃え中

「ソロプレーヤー」を越えて

8月には彼を連れて大阪洋服同志会の例会へ参加しました。仕立て屋はどうしても自らの工房に閉じこもる「ソロプレーヤー」になりがちです。しかし、横のつながりを持ち技術を高め合う場を持つことの大切さを、エリックにもそして共に働く若手の杉岡にも感じてほしかったのです。

大阪同志会にて

未来の仕立て屋の形 ── 世界を視野に

日本の仕立て業界は高齢化という大きな課題に直面しています。しかし私はこれをチャンスとも捉えています。私も杉岡も英語でコミュニケーションを取ることができます。技術を学びたいという意欲があればその才能を日本国内だけでなく世界中から探すことができるからです。 たとえ言葉や文化が違っても「お客様に対して誠実な一着を届ける」という職人の本質は変わりません。

最終課題であるモーニングコートの製図を終えた彼がここで得た経験を糧に、デンマークで素晴らしい職人へと成長することを願っています。

モーニングコートの製図1
モーニングコートの製図2
モーニングコートの製図3
3人で

At Tailor Shinya in Hamamatsu, Japan, we operate with a core philosophy of integrity and a genuine commitment to our clients’ needs. From late July 2025, we had the honor of hosting Erik, a young aspiring tailor from Denmark, through the EU’s “Erasmus+” internship program. This is a rare initiative for an independent tailoring house in Japan.

Exchange of Techniques Erik explored the “Direct Measurement System” (Shuntun-shiki), a traditional Japanese cutting method passed down to me from the late master Susumu Hattori. Comparing this with Danish cutting methods provided us with profound insights into “why we do what we do.” It was a true meeting of minds and techniques.

Vision for the Future The tailoring industry in Japan faces an aging workforce, but we see a global solution. Being able to communicate in English allows us to open our doors to international talent. By welcoming people like Erik, we expand our search for the next generation of sewing specialists beyond Japan’s borders.

Conclusion Regardless of the language or origin, the essence of tailoring remains the same: crafting a garment with sincerity and skill for the person in front of you. We look forward to more international collaborations to keep this beautiful craft alive.