コラムスタンダードライン仕立て
浜松でオーダースーツを作るなら。テーラー新屋のスタンダードラインが選ばれる理由
今回は、「浜松でオーダースーツを探すと店は多いのに”何が違うのか”がわかりにくい」「既製やパターンで“なんとなく合わない”経験がある」、そんな方に向けてテーラー新屋のスタンダードラインが選ばれる理由をできるだけ具体的にお伝えします。
結論から言うと、私たちが仕立て屋として“型紙”まで責任を持つからです。同じ「オーダー」でもサイズを合わせるのか/型紙で体型を解決するのかで仕上がりの安定感が変わります。
テーラー新屋のスタンダードラインとは
スタンダードラインはパターンオーダーのようなサイズ合わせではなくゲージ服(試着用スーツ)を土台にして型紙を補正し縫製工場で仕立てるラインです。
● 当店で型紙をおこし自作した7サイズのゲージ服を使用
● 型紙はデジタルで管理し必要なときに出力して検証できる
● 皺の原因を「感覚」ではなく地の目と型紙の整合で潰していく
”販売員の採寸→工場へ指示”ではなく仕立て屋が補正の責任を持つ。ここが一番の違いです。
なぜゲージ服はストライプなのか(地の目で「洋服の拝みや逃げ」を誤魔化さない)
テーラー新屋ではゲージ服をあえてストライプにしています。無地だと見落としやすい「生地の流れ(地の目)」が、ストライプだと一目でわかるからです。
ストライプが身体に対して真っ直ぐ落ちていなく内側に流れていくのを私たちは「洋服が拝む」と呼び、外側に流れていくのを「洋服が逃げる」と呼びます。この“拝みや逃げ”が残ったままだと、見た目の美しさだけでなく着心地やシルエットの安定にも影響します。


こちらは私がゲージ服を着用した状態です。フレアも綺麗にでていてパッと見た目は悪くありません。若干前脇を削って背中を広くしたいのと、ボタンを留めるとウエスト周りが少しきつそうなので半身で約1cm出す…だけでも販売員さんなら「OK」と判断しそうですし、実際、そのようなスーツを街中でよく見かけます(着丈や袖丈・袖幅など着用者の好みの部分は今回省きます)。
ですが、ストライプを見ると線が真っ直ぐ落ちず外側へ流れています。これが「洋服が逃げた」状態です。そして横から確認すると裾が少しはねて上がっています。
“ウエストを出す”調整だけでOKに見えても、実際は複数箇所が連鎖して補正が必要なことが多いです。そしてこの補正を行わないとボタンをかけた瞬間は問題なくても動いているうちに背中の襟部分が浮いてきて美的だけでなく動きにも大きく影響してきます。
原因に合わせて型紙を修正していきます。この補正はスーツの基礎となる”大きな縦のバランス”と”大きな横のバランス”が関係し、着用するうえで根幹となるとても大切な箇所です。
ゲージ服の製図(展開図)

左側から前身、脇、後身です。
横向きの着用写真をみると背中がお尻から離れてあがっているので背を長く丸くする必要があります

型紙をバストラインで切り開き背中の足りない分量だけ開きます。今回は1センチのはね具合でした。
背中のはねの原因は身体が前傾しているためなので少し背中を丸めます

わかりづらいですが今回は3ミリ内側に振り込んで修正しています。これは背のヒップ部分で振り込んで修正することもあります。
右胸のバストライン上にピンをうち前身の縞が綺麗に落ちる分量をつまみます


つまんだ分量が今回は1.5センチでしたので型紙上でも1.5センチ重ねます。
ラペルなどを成型しなおして、型紙を切り出します


お腹の傾斜を測ってみると、ウエストがキツい原因はお腹が前に出ているためなので切り出す前にウエストの足りない分量を脇ではなく前端で7ミリ加えます。
※実は、当店のゲージ服は私の着用写真のような大きなフレアをつけていません。洋服が逃げてフレアが強くでていただけなのです(笑)。もし、ゲージ服を着用した時の感じにしたいのであれば上図の型紙にフレア分を追加します。
切り出した型紙をマニプレーション(型紙操作)してお腹を包み込むようにします

ポケット口を利用してダーツ(のようなもの)を取り、縫い合わせることで脇部分が持ち上がりお腹を包む立体感が生まれます。
以上、簡単ですが”逃げ”とお腹が出ている体型の補正になります。基本的に前が逃げるのと背中が短くなるのは胸度式で裁断されたスーツであれば連動関係にありますが筋肉のつき方などによって数値は比例ではありません。また、これらの体型による型紙の操作は別に私が特別なのではなく”ごく普通の仕立て屋”はみんなやっています。
技術の裏付けとしてよろしければこちらのブログ記事もご覧ください
● 静岡県の優秀技能士を受賞しました
● 全日本デザイナー協会会長賞を受賞しました
「工場へ指示」ではなく、「型紙で担保」する理由
スーツの販売員の方が、もしこのような補正をするとしても伝票に数字やチェックで工場に伝え補正してもらいます(今回であれば、屈身体と出腹にチェック)。このやり方は工場側の解釈や個人差が出やすく、少なくとも私は最終形を担保できる自信がありません。
テーラー新屋では仕立て屋として
● 皺の原因を探る
● 必要ならゲージ服を解いて確認する
● 型紙を直す
● さらに必要ならシーチングで仮縫い(オプション)をして検証する
という手順で再現性を作ってから縫製工場へ送ります。こうして仕上がったものが私たちのスタンダードラインです。
スタンダードラインの「できること/やらないこと」
私たちは仕立て屋なのでやろうと思えばどこまでも型紙を追い込めます。しかしそれをやると少なくとも型紙は“ビスポーク”となってしまいスタンダードラインの意味が薄れます。そのためあえてルール(縛り)を設けています。
● アームホールの大きさは調整可(ただし形状は固定)
● あごグセ(ラペル裏のダーツ)や、フロントダーツを使った胸のはらみのためのマニプレーション(型紙操作)などはおこなわない
● その範囲でできる限り身体にフィットする工夫をおこなう
「何でもできます」ではなくどこまでをスタンダードで担保するかを明確にしています。
浜松でオーダースーツを検討している方へ
こんな方は、スタンダードラインが合いやすいです。
● 既製やパターンで胸が浮く/背中がつっぱる/皺が取れない経験がある
● 体型の特徴(肩下がり、反り腰・猫背など)で合いにくさを感じる
● 見た目だけでなく動いたときの着心地まで整えたい
● 「誰が責任を持って直すのか」を重視したい
よくある質問(FAQ)
Q. スタンダードラインとビスポークの違いは?
A. スタンダードはゲージ服+型紙補正→工場縫製で仕上げ一定のルール内でフィットを担保していきます。ビスポークは型紙から1点ものとして起こし工程・型紙・1人の職人が丸縫い・仮縫い回数・表現の自由度と品質がさらに上がります。
Q. 体型補正はどこまで対応できますか?
A. 皺の原因を見て型紙の範囲で対応します。必要ならシーチング仮縫いし検証します(スタンダードラインのルール内)。
Q. 相談や予約は必要ですか?
A. 落ち着いて採寸・試着するため事前予約をおすすめしています。 →ご予約はこちら
まとめ:スタンダードラインが選ばれる理由
テーラー新屋のスタンダードラインは単なる「サイズ合わせ」ではなく仕立て屋が“型紙”まで責任を持って補正し再現性を作ってから仕上げるオーダースーツです。
浜松でオーダースーツを検討していて「失敗したくない」「良いスーツが欲しい」と思う方は一度ご相談ください。

