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スラックスの仕上げ②

先日記述したスラックスのクセ取りに関してです。

クセ取りとは、身体にフィットするようにアイロンワークで生地を変形させる作業です。スーツは限られた線(縫う場所)で身体に沿った服を作らなければいけないのでクセ取りが必要になってきます。とは言ってもクセ取りは手間がかかり、技術も必要とされるため既製服やイージーオーダーなどでは省かれる場合が多いです。

 

パンツのクセ取りは(写真1)の膝裏にある生地の余りシワをお尻とふくらはぎに分散させてゆとりに変えます。さらにパンツが裾に向かうにつれて前方向に振るようにします。(写真2)

写真1 クセ取り前のパンツ

写真2 クセ取り後のパンツ

 

クセ取りは大きな変化ではありませんが着心地や綺麗なシルエットを保つために重要な工程です。しかしながら暫く履いているとだんだんとクセが戻ってきます。そこでテーラー新屋では出来る限りクセ取りを持続させるために前回のブログで述べたオールセット加工をしています。クセ取りもオールセット加工も小さな変化ではありますが、各々の工程で最適な選択をすることで大きな変化となり、お客様に満足して頂けるものが出来上がると思っています。


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