静岡県のテーラー新屋のダイスケです
令和5年8月より、お客様にはごゆっくりと生地やデザインを決めていただきたく、「お問い合わせ」内に新たに予約フォームを設置いたしました
http://www.tailor-shinya.com/contact
事前予約のお客様を優先に、接客対応をさせていただいております
お電話または予約フォームよりご予約をお願いします
今後もお客様一人ひとりに向き合いスーツを仕立ててまいりますので、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます
2023年7月29日
カテゴリー :お知らせ
静岡県のテーラー新屋のダイスケです
令和5年8月より、お客様にはごゆっくりと生地やデザインを決めていただきたく、「お問い合わせ」内に新たに予約フォームを設置いたしました
http://www.tailor-shinya.com/contact
事前予約のお客様を優先に、接客対応をさせていただいております
お電話または予約フォームよりご予約をお願いします
今後もお客様一人ひとりに向き合いスーツを仕立ててまいりますので、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます
先日記述したスラックスのクセ取りに関してです。
クセ取りとは、身体にフィットするようにアイロンワークで生地を変形させる作業です。スーツは限られた線(縫う場所)で身体に沿った服を作らなければいけないのでクセ取りが必要になってきます。とは言ってもクセ取りは手間がかかり、技術も必要とされるため既製服やイージーオーダーなどでは省かれる場合が多いです。
パンツのクセ取りは(写真1)の膝裏にある生地の余りシワをお尻とふくらはぎに分散させてゆとりに変えます。さらにパンツが裾に向かうにつれて前方向に振るようにします。(写真2)
クセ取りは大きな変化ではありませんが着心地や綺麗なシルエットを保つために重要な工程です。しかしながら暫く履いているとだんだんとクセが戻ってきます。そこでテーラー新屋では出来る限りクセ取りを持続させるために前回のブログで述べたオールセット加工をしています。クセ取りもオールセット加工も小さな変化ではありますが、各々の工程で最適な選択をすることで大きな変化となり、お客様に満足して頂けるものが出来上がると思っています。
当店のスラックスの仕上げについて2部編成で”折り目加工”と”クセ取り”について説明します。今回の生地では折り目加工についてです。
”折り目加工とは”
スラックスの折り目加工とは所謂センタープレスと呼ばれるものです。
スラックスなどのフォーマルなパンツに施される場合が多く、シャープなセンタープレスはドレッシーで端正な印象を与えます。当店は専用のプレス機を使ったオールセット加工で仕上げをしています。
オールセット加工について
専用のプレス機に水をセットすると、1時間休みなしに蒸気を当てプレスすることでセンタープレスが入ります。
折り目加工には薬品を使ったシロセット加工やリントラク加工が一般的ですがオールセット加工の魅力は折り目だけでなく”クセ取り”をした状態をキープしてくれることにあります。”クセ取り”は履き心地をよくするために重要な工程なので次回のブログで詳しく説明したいと思います。
タキシードを一度も着用したことが無い方でもタキシードのラペル(下襟)に光沢のある生地が使われていることはご存知だと思います。この生地は拝絹地(ハイケンジ)という固有の名前があります。この記事では拝絹地について紹介したいと思います。
サテンシルク(satin silk):今日タキシードのラペルの多くを占めるのがシルクを使った表面が平らでツルっとした生地です。読者の皆さんが想像するタキシードのラペルもおそらくこの生地ではないでしょうか?
グログラン(grosgrain):グログランとは横方向に畝のある織り方のことで素材はコットンやシルクなど様々ですがタキシードではシルクが使われています。サテンシルクの光沢に比べ繊細でマットな仕上げです。20世紀前半ではディナージャケットや燕尾服などに人気がありました。
特徴
サテンシルク:夜の礼装は色柄を抑えて光沢のあるものを使用することが一般的です。サテンシルクの光沢はシルバーのカフスボタンやスタッズなどの装飾品とよく合います。国産のものや輸入品など数量が多く、黒以外にも生産されてます。イージーオーダーや既製品、レンタルなどでも着用することが出来ます。
グログラン:畝になっている外観は古風な印象を周りに与えます。また英国の上流階級の一部ではサテンシルクよりマットな仕上がりがエレガンスだと感じる人もいます。一方で国内のみならず海外でも極限られた生産しかされていないため、あまり見かけることはありません。そのためグログランのタキシードをもし見かけることがあれば、ビスポーク(フルオーダー)であると言っても間違いないでしょう。
まとめ
サテンシルクかグログランかどちらの生地をラペルに使うかでタキシードの格式は変わりません。個人の純粋な好みで問題はありません。もしどちらにするか悩む場合は身頃の生地とのコントラストを参考にするとよいかもしれません。
テーラー新屋ではどちらの生地も承っています。
タキシードをお求めになる時は気軽にご連絡ください。
*グログランをラペルで使用する際は蝶ネクタイやカマーバンド、スラックスの側章などの規定も少し変わります。ご着用の予定がある場合や詳しく知りたい方は気軽にご相談ください。
*画像はGoogle画像検索より