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予約フォーム設置のお知らせ

静岡県のテーラー新屋のダイスケです

 

令和5年8月より、お客様にはごゆっくりと生地やデザインを決めていただきたく、「お問い合わせ」内に新たに予約フォームを設置いたしました

 

http://www.tailor-shinya.com/contact

 

事前予約のお客様を優先に、接客対応をさせていただいております

お電話または予約フォームよりご予約をお願いします

今後もお客様一人ひとりに向き合いスーツを仕立ててまいりますので、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます


ラグランスリーブの話

最近、ラグランコートの注文がありましたのでラグランコートについて説明します
ラグランスリーブはコートやスポーツ用のシャツなどで使われる襟元から繋がっている袖のことです。
その生まれは19世紀ワーテルローの戦いで片腕を失った兵士が剣を振りかざしやすくするために、当時兵士用のコートを
製造していた英国ブランドの「アクアスキュータム」が考案したと言われています。

腕の可動域が増えるというメリットから現在では野球やクリケットなどの腕を動かすスポーツのユニフォームとして採用されています。
一般的なセットインスリーブと言われる袖に比べてカジュアルな印象を与えます。

一般的なセットインスリーブとラグランスリーブを合わせたスプリットラグランというものも御座います。
動きやすさとフォーマルらしさ、両方の特徴があります。しかしセットインスリーブほど格式ある雰囲気は出ず、ラグランスリーブ
ほど可動域が増えるわけではありません。しかし珍しさやデザイン的な魅力は十分にあると思います。もし一般的なコートをすでに所有していて
少し変わったコートが欲しいと思った場合は、スプリットラグランに挑戦すると良いかもしれません。

 


スラックスの仕上げ②

先日記述したスラックスのクセ取りに関してです。

クセ取りとは、身体にフィットするようにアイロンワークで生地を変形させる作業です。スーツは限られた線(縫う場所)で身体に沿った服を作らなければいけないのでクセ取りが必要になってきます。とは言ってもクセ取りは手間がかかり、技術も必要とされるため既製服やイージーオーダーなどでは省かれる場合が多いです。

 

パンツのクセ取りは(写真1)の膝裏にある生地の余りシワをお尻とふくらはぎに分散させてゆとりに変えます。さらにパンツが裾に向かうにつれて前方向に振るようにします。(写真2)

写真1 クセ取り前のパンツ

写真2 クセ取り後のパンツ

 

クセ取りは大きな変化ではありませんが着心地や綺麗なシルエットを保つために重要な工程です。しかしながら暫く履いているとだんだんとクセが戻ってきます。そこでテーラー新屋では出来る限りクセ取りを持続させるために前回のブログで述べたオールセット加工をしています。クセ取りもオールセット加工も小さな変化ではありますが、各々の工程で最適な選択をすることで大きな変化となり、お客様に満足して頂けるものが出来上がると思っています。


スラックスの仕上げ 

当店のスラックスの仕上げについて2部編成で”折り目加工”と”クセ取り”について説明します。今回の生地では折り目加工についてです。

”折り目加工とは”
スラックスの折り目加工とは所謂センタープレスと呼ばれるものです。
スラックスなどのフォーマルなパンツに施される場合が多く、シャープなセンタープレスはドレッシーで端正な印象を与えます。当店は専用のプレス機を使ったオールセット加工で仕上げをしています。

オールセット加工について
専用のプレス機に水をセットすると、1時間休みなしに蒸気を当てプレスすることでセンタープレスが入ります。
折り目加工には薬品を使ったシロセット加工やリントラク加工が一般的ですがオールセット加工の魅力は折り目だけでなく”クセ取り”をした状態をキープしてくれることにあります。”クセ取り”は履き心地をよくするために重要な工程なので次回のブログで詳しく説明したいと思います。

専用のプレス機のセッティングの様子


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