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オーダーネクタイはじめました

静岡県のテーラー新屋のダイスケです

最近は、もっぱらインスタ更新の方が多く、ブログは久しぶりの投稿となります(インスタはこちら

 

皆様は、ネクタイを購入するにあたっての決め手はなんでしょうか?きっとスーツに合わせた色柄や素材ではないかと思います。以前より、ネクタイに対して、もう少しお客様にご提案ができたら嬉しいなと思い、この度ネクタイの取り扱いを開始しました。

 

ネクタイの歴史は、17世紀頃に首に巻いたスカーフが起源とされており、現在のネクタイは、国産で140センチ前後の長さで芯をシルクで包んだものが主流です(海外製品だともう少し長いです)

 

では、オーダーネクタイだとどんなことが可能なのか??お好みの色柄はもちろんのこと…

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パーフェクトフィットな長さのネクタイをお召しになることが可能です。ネクタイの正しい長さは、太い方(大剣部分)がベルトにかかる長さが適切と言われていますが、首の太さやベルトを締める位置、結び方によって十人十色長さが変わってきます

 

そして、芯の厚さや裏地を選ぶことも可能です。芯は結びやすさやディンプル映えや皺の復元に大きく作用します

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また、一般的なネクタイ以外にも…

 

着用した際に軽い印象を与える、剣先の芯をカットし三巻仕様したタイプのもの

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芯ありの贅沢なセッテピエゲ(7hold)

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芯を一切使用せず、スカーフを折りたたんだような柔らかさのある10回折りのディエチピエゲ

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その他にも、剣先の太さを選ぶことができるので、ラペルの太さと完璧に合わせたネクタイにすることも可能ですし、ズートスーツ(zoot suits)をお召しになるズーティー(彼らは、剣先が11センチぐらいのものをお召しになります)や、モッズ(mods)がお召しになるような剣先6センチ前後のものもお仕立て可能です

IMG_1424google画像検索より

 

 クラブの皆様で合わせたネクタイをお召しになるのにも良いかもしれません

 

ご興味がございましたら、お気軽にお問合せください

お待ちしています!

 


仕立屋の結婚式

静岡県のテーラー新屋のダイスケです

 

本日でテーラー新屋は、現在の場所に店をかまえて無事50周年を迎えることが出来ました(クニエダ洋服店から数えるともっと長いですが…)

これも偏に、応援してくださる皆さまのお力だと思っております

次の50年後の100周年に向けて、より一層「着る人に自信と風格を与える」洋服づくりをしていきたいと思いますので、皆さま、今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます

 

 

さて、私事なのですが…昨年結婚をしました

普段は、結婚式を挙げるお客様に対してアドバイスをする立場の私ですが、それなら仕立屋自身が結婚式を挙げる場合どんな服を仕立て、どんな着こなしをするのか参考になる方もいるのでは?と思い、書いてみます

 

 

まずはどんなスタイルにするのか、自分自身にカウンセリング

Q 日時の確認

A 秋ごろ、14時から始まります

 

Q お色直しは?

A 1回希望します

 

Q こだわるところはありますか?

A 基本的に品のある、クラシックな感じにしたいですが、披露宴では少しだけ変化を持たせたいです

 

 

上記を踏まえたうえで、私は…

挙式:アスコットモーニング(別名:モーニングスーツ) ※1

披露宴:ディナージャケット(別名:タキシード、スモーキングジャケット、ブラックタイ)

に決めました

 

 

アスコット競馬場が由来のアスコットモーニングにした理由には

・挙式が18時以前なので、午前のフォーマルであること ※2

・普通のモーニングコートに比べて華があり、結婚式に向いている

・グレーの色味が白色の花嫁を引き立てる(新郎が派手すぎたり、薄い色味や白色を着て新婦のドレスと被ってしまったりするのを避けました)

アスコットモーニング1

アスコットモーニング1

 

 

披露宴用に仕立てた洋服は、ディナージャケット(タキシード)の中でも少しくだけた感じのするファンシー・タキシードにしました

・披露宴は18時をまたぐ ※2

・デザインはダブルブレステッドで、生地は光沢を持たせたくベルベット

・ディナージャケットなので、拝絹(襟の黒いやつです)をつけますが、スラックスの側章は省きました

・新婦のややカジュアル気味なカクテルドレスに合わせて(もし新婦がオーソドックスなカクテルドレスならオーソドックスなスタイルにしました)

カクテル・ディナージャケット

ファンシー・タキシード1

 

 

礼装は、スーツのみでなくコーディネートも大切です

 

アスコットモーニング2

アスコットモーニング2

 

スタイル:アスコットモーニング

生地:Taylor & Lodgeのオイルスパン

シャツ:ダブルカフスの水色クレリックシャツ ※3

ネクタイ:薄い色味のパープル

チーフ:光沢の無いリネンのもの

カフリンクス:小ぶりのゴールドで光沢の無いもの ※4

靴:内羽根のストレートチップ

アクセサリー1:ブレイシス(サスペンダー)を用いるとベストを短くすることが出来、バランスが良くなります

アクセサリー2:グレーの鹿革の手袋

 

 

披露宴では(【】は基本的なディナージャケット)

 

ディナージャケット2

ファンシー・タキシード2

 

スタイル:拝絹のダブルブレステッド 【もしくはシングルブレステッドのピークorショール】

生地:濃紺のベルベット 【黒色が基本】

シャツ:スタッズ無しの白色ダブルカフスのウィングカラーでヒダの無いもの 【スタッズ&ヒダ有の方が一般的】

ネクタイ:黒色の手結びの蝶ネクタイ

チーフ:少しだけアクセントを付けたく、濃赤のシルク 【白色のシルクチーフ】

カフリンクス:オニキス 【または白蝶貝】 ※4

靴:内羽根ストレートチップ 【オペラパンプス】

 

 

書くとこんな感じになります…細かくていやになりますね(笑)

私は、結婚式の衣装には正装というよりも盛装という意味合いが強いと思っていますので、あまり固苦しく考えず、細かなルールは必ずしも守らなくても良いと思っています

 

ただ、基本的なマナーと言うか考え方があります

 

昼の礼装には、色物は使えますが光沢は避ける  夜の礼装には、光沢を用いますが色柄は避ける

 

です

 

実はアスコットモーニングのコーディネートをどうしようか少し迷っていました

そこで、私はチャールズ皇太子のアスコットモーニングの着こなしを参考にさせていただきました

 

チャールズ皇太子

チャールズ皇太子1

チャールズ皇太子4

チャールズ皇太子2
チャールズ皇太子3

チャールズ皇太子3

チャールズ皇太子4

チャールズ皇太子4

 

上記のマナーを押さえつつ、自然体かつ上品に着こなしていて、大変勉強になりました

 

 

そういえば、日本では、昨年北川景子さんと結婚されたDAIGOさんがモーニングスーツをベースにデザインされた服をお召になっていましたね

ダイゴさん

DAIGOさん

 

google画像検索にて

 

 

 

今後は、自分が結婚式の衣装を決める際に感じたこと気になった点も踏まえてお客様の相談にのり、より一層満足してもらえるような洋服を仕立てられるよう頑張ります

 

 

浜松市のテーラー新屋は、結婚式を挙げるすべての人を応援しています、そして、次の50年に向けて更なる努力をしていきたいと思います

 

 

※1 一般のモーニングコートは、黒のジャケットにコールズボンと呼ばれる縞のスラックス、それにアイボリーやグレー、共地のベストを着用しますが、モーニングスーツは上下ベストとも同じ(スーツ)生地のものを使用します(モーニングスーツの中でも特にグレーのものを女王が臨席するアスコット競馬場で着用されることからアスコットモーニングと呼ぶことが多いです)

 

※2 6時を境に午前のフォーマルには、フロックコート、モーニングコート、そしてイブニングコートがあり、午後のフォーマルにはイブニングコート、ディナージャケットがあります(フロックコートが廃れた現在、午前の正礼装にもイブニングコートが用いられることがあります)

 

※3 クレリックシャツは日本だとクールビズで着用するイメージがありますが、元来、昼のフォーマルな装いの一つです

 

※4 カフリンクスの昼夜の使い分けイメージは下の写真のような感じです

昼用

昼用

夜用

夜用

 


【遠州綿紬】第一回 みんなのはままつコレクション【はままつ注染】

静岡県浜松市のテーラー新屋のダイスケです

 

6月に入りクールビズへの衣替えとなりましたが、皆さま準備はお済ですか?

 

私は先月の5月14日、15日と市が主催する「第一回 みんなのはままつコレクション」という遠州織物のイベントに参加してきました

そのときに撮影した写真が届きましたので、今回はその様子を書いてみたいと思います

 

 

私の住んでいる浜松は、実は昔から「繊維の街」と言われており、高い技術力を誇るテキスタイルの産地(遠州織物)で、有名ブランドにも素材として使われるなど、海外からも高い評価を受けています

そして、今年4月より放送されているNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」ではヒロインの幼少期の舞台が浜松の繊維工場であったり、遠州織物の着物が使われていたりします

 

また、昨年公開された映画「新宿スワン」の撮影地であったり、来年の大河ドラマ「女城主 井伊直虎」の舞台地であったりと、近年なにかと少しずつではありますが「浜松」を取り上げてもらえる機会が増えてきました

 

 

そのような背景から、今回、浜松市が主催となって遠州織物を広く認知してもらおうとの運びとなり「第一回 みんなのはままつコレクション」が開催されることとなりました

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以前より遠州織物関係の団体はありましたが、それぞれ個別に活動していたものが今回は「NPO法人 遠州縞プロジェクト」、「はままつシャツ部」、「いとまちプロジェクト」の3団体合同で行いまし

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私は「NPO法人 遠州縞プロジェクト」の一員として、今回が初参加でした

仕立て屋目線で、和素材であるがゆえに案外と普段着用が難しい遠州織物を、「ビジネスでも遠州綿紬を」をコンセプトに『新たな遠州織物の可能性』があるのでは?と思い出展しました

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初日では、全国有数の取扱量を誇る浴衣を伝統的な方法で染める「浜松注染」の実演が行われました

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2日目には、遠州織物を使った座布団の綿入れ実演、ファッションショーも行われました

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ファッションショーは2部構成で、第1部では地域の繊維生地で作ったドレスを身にまとった「織姫」と地域の繊維製品を身にまとったお付きの人が街中を歩き、会場でダンスショーを、第2部ではそれぞれの団体によるファッションショーでした

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そして、そのファッションショーに私も参加しました

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自分で仕立てて自分でモデルして…すっっっっごく、緊張しましたが、良い経験になったなと思います

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この2日間はとても刺激的なものでした

出展したジャケットは評判もよく、とても興味深いという感想を多くいただくことが出来ました

そして、より多くの人へ遠州織物のジャケットが届くよう自分の中で新たな目標もできました

 

 

 

浜松市のテーラー新屋は、地元浜松への貢献も積極的にしていきます

 

 

 


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